士業ホームページを作って放置しても問い合わせは来る?制作者が解説

ホームページを作ったら、どれくらいお問い合わせが来るのか?気になっている先生も多いのではないでしょうか。

中でも疑問に思われている先生が多いと思われるのが、「作ったあとは放っておいても、自然に問い合わせって来るものなんですか?」というものです。

私、親和ホームページの前原は、士業専門でホームページ制作を行っています。これまで先生とやりとりする中で、実際の傾向や事例も見てきました。

今回はこの素朴な疑問に対して、私なりの考えをお伝えしたいと思います。

結論から言うと、「放置していてもゼロではありませんが、過度な期待は禁物」です。

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自作でも、お問い合わせは「ゼロではない」

私自身の身近な例をお話しすると、社労士をしている父と一緒にホームページを自作したことがあります。

父親が開業当時はお金をかけたくないと言ったので、WordPressの無料テンプレートを使ったホームページを制作しました。

その後、父は少しの間ブログを更新していましたが、数ヶ月で手が止まり、それ以降は更新をせず。ドメインとサーバーを更新する程度の運用でした。

それでも、5年間のうちに1件だけですが、お問い合わせがありました。そしてそのご相談は実際に仕事へとつながったそうです。

つまり、どんなに質素なページでも、“ゼロを1に変える力”があるのが、ホームページというツールの底力だと私は思っています。

ただし、やはりお問い合わせのペースはゆっくりです。だからこそ、「何もしなくても問い合わせが来る」と期待せず、「ちゃんとご自分で更新をする」、もしくは、「放置してて来たら運がよかった」くらいの心持ちがいいと思います。

制作会社やフリーランスのHPも条件付きで「放置でも来る」ケースはある

では、ホームページを制作会社やフリーランスに依頼した場合はどうでしょうか?

この場合、見た目のデザインだけでなく、ページの構成や文章の設計、さらには公開前にどこまでSEO対策が施されているかによって、お問い合わせの可能性は大きく変わってきます。

ただ、ひとつ言えるのは、「依頼者の悩みが深いテーマほど、お問い合わせが来やすい」ということです。

たとえば、弁護士の先生であれば、そもそも依頼に至る時点で相談者は切実な問題を抱えていることが多く、ある程度放置していてもホームページからの問い合わせが発生しやすい傾向にあります。

内容がしっかりしていれば、テンプレート型の「事務所紹介型ホームページ」でも成果が出やすい傾向にあるのが特徴です。

一方で、社労士や司法書士、行政書士の先生の場合は、「どんな業務に特化しているか」がより重要になってきます。

この場合は、1つの業務に絞った業務特化型ホームページのほうが成果は出やすいです。

社労士の先生であれば、障害年金のように緊急性が高く、本人やご家族の不安が大きい業務は、放置気味のホームページであっても反応がある可能性があります。

同様に、司法書士や行政書士の先生でも、「遺言」「相続」などの人生の節目に関わるような業務に特化していれば、検索からたどり着いた方が問い合わせをしてくるケースがあります。

「ホームページの内容が相談者のニーズにしっかりと合っている」「なおかつ情報が信頼できるものである」

この条件が揃えば、「たまたま見つけたけど、ここに相談してみよう」と思っていただけることがあるのです。

とはいえ、放置が続けば反応は減っていく

ただし、あらためて強調したいのは「ホームページは更新が前提」ということです。

検索エンジン(Google)は、「新しくて、信頼性が高く、役に立つ情報」を好む傾向があります。そのため、何年も更新されていないホームページは、検索順位が下がり、見つけてもらいにくいのが実情です

また、時代に合わないデザイン、スマホで見づらいレイアウト、古い実績情報などは、かえってマイナスの印象を与えることも。結果として、「信頼性が感じられないから他の事務所にしよう」と思われてしまうこともあります。

少しずつでも情報が更新されていると、検索エンジンからも評価されやすいです。ホームページを訪れた人にも「今も活動されているんだな」という安心感を与えられます。

ネット集客を本気で目指すなら、運用と投資は不可避

もし、士業の先生が本格的にインターネットの集客を目指すのであれば、「作って終わり」では難しいのが現実です。

事務所型ホームページや業務特化型のページを用意し、SEO記事を継続的に書き、さらにネット広告も活用してください。パーソナルブランディングも必要です。

そういった複数の施策を並行して、行う必要があります。これにはもちろん、予算も必要ですし、ウェブマーケティング会社と連携して行う必要があるのが実情です。

ただ、世の中の士業の先生が広告などを出しているのは、宣伝広告費を打って回収できる見込みが立っているからです。

YouTubeを行う士業の先生が少ないのは投資の効果が低く、ネット広告を出す先生が多いのは、投資効果が高いからだと言えるかもしれません。

まとめ:ホームページは“育てていく”ことで力を発揮します

結論として、ホームページを作るだけで依頼がどんどん来るというのは現実的ではありません。

でも、作ったことで思いがけない問い合わせが来たという例も確かにあります。

そして、しっかり運用すればするほど、ホームページは“先生の代わりに営業をしてくれる存在”になります。だからこそ、開業されたタイミングでどんな手段でもいいのでホームページを作っておくのは、とても意味があります。

自作でも、フリーランスでも、制作会社でも。

大切なのは、先生が“見つけてもらえる場所”を持つこと。そしてそれを、少しずつでも育てていくことです。

「作るだけではもったいない。でも、作らなければ何も始まらない」

これは間違いなく、私が士業の先生とお話してきた中で、実感として言えることです。

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