YouTubeは士業にとって鬼門?大手法律事務所チャンネルに学ぶ過酷な現実

「YouTubeってやったほうがいいの?」

士業の先生から、ごくたまにいただくご相談です。

士業専門HP制作の親和ホームページの私は、「余力があるなら最後にやるべきです」とお答えしています。

なぜなら、時間とコストの負担が大きく、すぐに成果が出にくいからです。

これを書いている親和ホームページ代表の前原は、士業専門でホームページ制作を手掛けています。ただ、過去にYouTubeに関わっていたことがあるので、過酷な現実を紹介してみました。

目次

実は私も、チャンネル登録者約3,000人のアカウントを持っています

YouTubeを鬼門と語るのは、経験に基づくリアルな実感からです。

私自身、あるジャンルで登録者約3,000人のYouTubeチャンネルを運営してきました。また、当時10万人規模(現在20万人)のチャンネルの編集にも関わった経験があります。

だからこそよくわかるのです。YouTubeはとにかく時間がかかります。

効果が出るまでには、さらに時間がかかるのです。

YouTubeは「そもそも時間がかかりすぎる」

1本の動画を作るのに必要な工程は以下の通りです。

  • 企画を考える
  • 台本を書く
  • 撮影する(顔出しするなら身だしなみの準備も必要)
  • 編集する(初めは1本5時間以上かかることも)
  • サムネイルを作る
  • アップロード・説明文の記入

10分くらいのたった1本でトータルで10時間以上の準備+撮影・編集がかかります。

しかも、YouTubeは継続更新が前提のメディア

毎日とは言わずとも、毎週投稿を続けなければ成果は出ません。

YouTubeショートはおそらく1本で3時間くらいの準備+撮影・編集がかかるでしょう。

ただし、ショート動画はほぼ毎日投稿しないと効果が望みにくいです。

これは個人でやるには物理的に無理があるレベルです。

プロがやるとどうなるか――某法律事務所の例

では、成果を出している法律事務所のチャンネルを分析してみます。

たとえば、弁護士業界で圧倒的な成果を出しているのがA法律事務所のチャンネルです。

  • 登録者数175万人超
  • 投稿本数3,000本超
  • 2021年以降はショート動画中心にシフト
  • 現在は「毎日ショート動画を2本更新」

※2025年4月30日現在

このペースをどのように実現しているかというと、公開されているインタビュー等の情報を元にまとめて、一部を推測してみました。

  • マーケティング部を独立させて作った子会社で動画制作を内製化
  • 社内+外部の編集者で24時間体制の制作体制
  • 分業・テンプレート・ツール活用による動画量産システム

YouTubeのショート動画を月60本の動画を制作するとして、1本あたりの撮影・編集を2時間と仮定します。これだけで合計で120時間かかるでしょう。

(企画や台本制作にかかる時間は除くものとします)

企画・撮影と編集は完全に分業体制。すでに株式会社を作っているので、企業の体制があるからこそ、成り立っている世界です。

士業個人がYouTubeで直面する壁

一方、個人の士業がYouTubeに挑戦すると、こんな壁にぶつかります。

  • 企画から編集まで全部ひとりでやらなければならない
  • 面白くないと見られない(真面目すぎると“再生されない”)
  • バズらない(そもそも「士業」は検索需要が限られている)
  • 撮影が恥ずかしい・照れくさいという心理的ハードル

YouTubeは「Informative(ためになる)」だけでは再生されません

Interesting=興味を惹く内容」がなければ、アルゴリズムにも視聴者にもスルーされます。

特に、視聴者がYouTubeを開くのは「疲れているとき」「気分転換したいとき」が多いです。そこに合わせた企画力・構成力・見せ方が求められるのです。

認知拡大だけでは不十分。ファネルの下流がなければ意味がない

マーケティングファネルで見ると、現在流行っているYouTubeのショート動画は「認知(Attention)」のためのツールです。

マーケティングファネル

たとえば、法律や制度に関することを時事ネタに絡ませることで、知らなかった人に対して「こんな制度があるんですよ」「こういう事務所があるんだ」と広めるにはYouTubeは向いています。

ただし、せっかくお客さんへの認知を拡大しても、最終的な受け皿がないと他の士業事務所にお客さんが流れてしまいます。

そのため、まずお問合せ先となるホームページを作ってから、最終的に認知拡大のためにYouTubeをやることを親和ホームページでは提案しています。

最後に:まずはホームページ。後で動画でも遅くない

YouTubeは、たしかに士業でも注目されるメディアです。

でも、本当にやり始めたら修羅の道です。

それよりもホームページを作ったり、ブログ更新などをしたほうが費用対効果は高いと言えます。

私の経験上、本当に過酷だったので、少しでも参考になればと思って書かせていただきました。

ホームページ制作でお悩みを感じたときは、ぜひお気軽にご相談ください。

親和ホームページでは、士業の先生向けにZoomでのオンライン無料相談を実施中です。

士業の先生のお話をヒアリングして、先生のご事情に合った方法をご提案させていただいています。

無理な営業は一切ありません。安心してお話していただけます。

なかなか相談できない士業の先生の悩み、親和ホームページにご相談ください。

▶ 無料相談のお申し込みはHPのお問い合わせフォームからどうぞ

目次